概略:
花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息など、今アレルギーの病気をもつ方はたいへん増えています。ダニや花粉などのアレルゲン、大気汚染、気候の変化、遺伝的素因などたくさんの因子が複雑に関連して、病気を起こしてきます。アレルギー科では一人一人の患者さんに病気の原因を明らかにして、最新の研究成果をもとにした、適切な治療を提供します。 |
| 最近の研究成果をもとに、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎ではそれぞれ治療ガイドラインが専門学会によって作成されました。当院ではガイドラインに基づき、そして一人一人の患者さんにあわせた治療を行います。 |
| アレルギーの病気は生活の中でなおしていきます。病気についての正しい知識をもつことが克服の第一歩です。アレルギー外来ではわかりやすい説明を心がけるとともに、毎週金曜日午後4時から、アレルギー教室も行っています。アレルギーについての原因や治療法について、わかりやすくお話しします。外来受診をされない方でも参加できますので、お気軽にどうぞ。 |
| アレルギーは体のいろいろな場所に症状を起こす、いわば全身の疾患です。例えば、喘息の子供さんの多くはアレルギー性鼻炎や副鼻腔炎を合併しており、鼻が悪くなったために喘息も悪くなる、ということもよくあります。三重病院では、小児科、耳鼻咽喉科、眼科など専門科が密接に連携をとって、総合的治療を行います。 |
三重病院ではアレルギー疾患の病因を解明し、新しい治療の開発をするため、基礎的研究・臨床的研究を活発に行っています。
よりよいガイドラインづくりのために
はじめにご紹介した治療ガイドラインは編集された時点での最良の治療法がまとめられていますが、それで終わるものではありません。よりよい治療法をめざして、日々研究は続けられています。ガイドラインも2、3年に一度は改訂が行われますが、三重病院のアレルギー科のスタッフはガイドライン改訂のための共同研究に参加しています。
原因解明のための基礎研究
三重病院ではアレルギーをおこす白血球の一種である好酸球についての研究をこれまで長く行ってきましたが、最近は免疫機構の重要な調節物質であるサイトカインやケモカインなどの研究も行い、成果を上げています。厚生労働省の研究班にも所属しています。
最近の主な論文など
アトピー性皮膚炎の発症に関係するケモカインについて
Fujisawa T, Fujisawa R, Kato Y, Morita A, Nakayama T, Katsumata H, Nishimori H, Iguchi K, Kamiya H, Gray PW, Chantry D, Suzuki R, Yoshie O. High platelet contents of TARC/CCL17 and elevated plasma levels of TARC/CCL17 and MDC/CCL22 in patients with atopic dermatitis. J Allergy Clin Immunol 2002 (in press)
喘息の気管支粘膜を試験管内で再現する新しい実験モデルの開発
Kato Y, Fujisawa, T Shibano M, Saito T, Gatto W, Kamiya H, Sumida M, Yoshie O. Airway epithelial cells promote transmigration of eosinophils in a new three-dimensional chemotaxis model. Clin Exp Allergy 2002, (in press)
喘息治療でよく用いられる薬剤の好酸球への作用について
Fujisawa T, Kato Y, Terada A, Iguchi K, Kamiya H. Synergistic effect of theophylline and procaterol on interleukin-5-induced degranulation from human eosinophils. J Asthma 2002;39:21-7.
運動誘発性喘息と呼気ガス中一酸化窒素の関係について
Terada A, Fujisawa T, Togashi K, Miyazaki T, Katsumata H, Atsuta J, Iguchi K, Kamiya H, Togari H. Exhaled Nitric oxide decreases during exercise-induced bronchoconstriction in children with asthma. Am J Respir Crit Care Med 2001;164:1879-1884.
好酸球が組織障害性の蛋白を放出するメカニズムについて
Fujisawa T, Kato Y, Nagase H, Atsuta J, Terada A, Iguchi K, Kamiya H, Morita Y, Kitaura M, Kawasaki H, Yoshie O, Hirai K. Chemokines induce eosinophil degranulation through CCR-3. J Allergy Clin Immunol 2000;106:507-13
気道上皮からのケモカイン産生機構について
Fujisawa T, Kato Y, Atsuta J, Terada A, Iguchi K, Kamiya H, Yamada H, Nakajima T, Miyamasu M, Hirai K. Chemokine production by the BEAS-2B human bronchial epithelial cells: differential regulation of eotaxin, IL-8, and RANTES by TH2- and TH1-derived cytokines. J Allergy Clin Immunol 2000;105:126-33.
熱田純:ヒト気道上皮細胞による接着分子ICAM-1とVCAM-1の発現
喘息 27-31: 14(2), 2001.
熱田純:常時低ピークフロー値を認める小児喘息症例に対する治療
Progress in Medicine 213-216: 21(12), 2001.
熱田純:抗ロイコトリエン薬+吸入ステロイド薬にて効果不十分な小児喘息症例に対する長時間作動型吸入β2刺激薬(サルメテロール)の導入効果 Progress in Medicine 3023-3026: 23(11), 2003.
藤澤隆夫 サイトカイン・ケモカイン. 日本小児アレルギー学会誌 2002, 16: 71-76
藤澤隆夫 アレルギーと鍛錬療法:鍛錬療法の実施と継続のために. アレルギーの臨床 2002,285: 70-75
藤澤隆夫 抗アレルギー薬の作用域2 好酸球. 治療学 2001, 35:481-85
藤澤隆夫 ケモカインと好酸球. 医療 2000, 54:73-78 |
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