臨床研究部とは
平成14年10月より三重病院には臨床研究部が設置されました。臨床研究部では政策医療*1に関わる臨床研究を行います。臨床研究とは国民の健康を脅かす様々な疾患の病態を解明し、その治療法を探る活動です。三重病院は政策医療19分野*2のうち、国際医療協力、成育医療*3、重症心身障害児(者)医療の3分野の臨床研究を担当しています。

*1国立病院が担うべき医療を「政策医療」と呼んでいます。一般の方には聞きなれない言葉ですが、国民の健康を守るため国を上げて取り組まねばならない疾病を対象とする医療のことをいいます。全国240箇所の国立病院および国立療養所はそれぞれ課題を分担して、これらの政策医療に取り組んでおり、当院ではこれまでの実績を生かす3分野の課題が与えられています。
*2 政策医療19分野:がん、循環器病、精神疾患、神経・筋疾患、成育医療、腎疾患、重症心身障害、骨・運動器疾患、血液・造血器疾患、内分泌・代謝性疾患、呼吸器疾患、免疫異常、感覚器疾患、肝疾患、エイズ、長寿医療、災害医療、国際医療協力、高度総合医療をいいます。最近、小児救急医療も加えられました。もちろん三重病院は24時間の小児救急医療体制を持ち、積極的にこれに取り組んでいます。
*3 成育医療とは小児期、思春期から成人まで、さらには次の世代へと続いていく広く生涯を見据えた医療をいいます。これまでの小児期に限定した小児科を超えて、産科、内科、耳鼻咽喉科、眼科など他の専門科と連携した総合的医療を提供することをめざします。三重病院では成育医療のうち、とくに小児慢性疾患の医療と研究を進めています。
主な研究テーマ
・政策医療ネットワークを活用したデータベースの構築
*重症心身障害データベース(発育発達研究室)
SMIDといわれるデータベースによって、全国の国立病院の重症心身障害医療に関するデータを集積し、活用するシステムを構築しました。
*成育医療データベース(成育医療研究室)
成人期まで引き続く(キャリーオーバー)小児慢性疾患の医療に関するデータベースを構築し、よりよい医療サービスのあり方を探っています。

・国際医療協力(国際保健医療研究室)
*ポリオ根絶
日本ではすでにポリオは根絶されましたが、開発途上国には依然としてポリオに苦しむこどもたちがいます。世界からポリオを根絶する活動を行っています。
*国際サーベイランスシステムの確立
SARSやインフルエンザなど国境を越えて流行する重大な感染症が問題になっています。三重病院では東南アジア諸国などで感染症サーベイランスシステム構築のための援助を行っています。

・ワクチン予防可能疾患の疫学的・免疫学的研究
(感染疫学・免疫学研究室)

麻疹、ムンプス、インフルエンザなど依然として流行を繰り返す感染症の効果的予防・治療策の開発のための研究を行っています。

・小児慢性疾患の病態解明と治療法開発(成育医療研究室)
*小児アレルギー疾患の新しい診断法の確立
喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の早期診断と治療のために、新しい検査法の開発を行っています。
*アレルギー性炎症の成立機序の解明と治療法の開発
アレルギーの基本病態である炎症の成立機構を解明し、新規治療法開発の研究を行っています。
*小児肥満症に対する効果的運動療法の確立
科学的根拠にもとづいた効果的な運動療法の確立のための研究を行っています。

・小児疾患の治験の推進(治験管理研究室)
有効であるにもかかわらず、成人でのみ使用され、小児での使用が認められていない薬剤が多くあります。新しく開発された薬剤の小児での安全性と有効性を科学的に実証する研究は小児医療の発展のためには必須です。
 
   
 
国立病院機構 三重病院